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  立体史観による神界の仕組み
      (世界戦略情報「みち」平成16年(2664)7月15日第188号)

●相曾誠治氏の立体史観によれば、人間は神と共にあり、神界の一部を占めて生かされている。では、神々の世界はどうなっているのか。相曾氏は次のように説く。

 これをもっと簡単に説明しましょう。人間は地上で生活をしています。三次元世界です。三次元世界での生活が終わりますと四次元の世界、つまり死後の霊界に入ります。四次元は次元の低い霊界で、四次元の上にほんの少しだけ上級の五次元世界があります。五次元の霊界には、シナの儒教や道教、あるいはインドの仏教、ヨガの修行を積んだ先人が住んでいます。換言すれば、五次元霊界は大陸系宗教の指導者層が行く場所です。祇園精舎の鐘の声という一文で有名な仏教の中枢部は五次元霊界に位置していますので、決して高次元とはいえません。
 五次元の上に、つまり六次元世界にシナの仙界があります。ここもそんなに高級ではありません。六次元の上には『古事記』や『日本書紀』に伝えられている日本の命(みこと)たちがいます。
 いよいよ八次元の世界です。ここは更に高級な天津日の高天原神界、つまり太陽神界で、最高神は天照大御神です。最奥が九次元世界で、天津真北の高天原、別天津神界と称します。
(『サニワと大祓詞の神髄』一八~一九頁)

●相曾氏が他の箇所で説いている記述も参照しながら見ていくと、神界の構造はおよそ次のようになるようだ。
 すなわち、宇宙の中心である根本神界は、「天津真北(あまつまきた)の高天原(たかまがはら)」別名「別天津神界(わけあまつしんかい)」という九次元世界であり、北極星の周辺に位置するという。最高神界の中心は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)であるが、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)と神御産巣日神(かみむすびのかみ)もこの最高神界に鎮まっている。
 次の八次元世界は太陽の中にあり、この神界を「天津日(あまつひ)の高天原(たかまがはら)」「太陽神界」「日界」などと呼んでいる。この太陽神界の主宰神は天照大御神である。
 その下の七次元世界には、日本の皇祖皇宗の神々がおられ、これを「神集岳神界(しんしゅうがくしんかい)」と呼ぶようである。
 次に「万霊神岳神界(ばんれいしんがくしんかい)」という神界がある。これは先の説明では「シナの仙界」と考えたくなるが、別の個所の記述をも参考にすると、単にシナの仙界だけに止まらず、世界各地にある「産土神界(うぶすなしんかい)」を指すようである。
 以上をまとめてみると、神界は四つに別れている。

 ①天津真北の高天原(別名、別天津神界)  九次元世界、主宰神は天之御中主神
 ②天津日の高天原(別名、太陽神界)八次  元世界、主宰神は天照大御神
 ③神岳神集界、七次元世界、日本の皇祖皇  宗の神々が住まわれる
 ④万霊神岳神界、六次元ないし四次元世界、  世界各地の神々が住む

●神界は四つであるが、最後の万霊神岳神界には支那の仙界やインドの仏界、フラテリー神界、さらには一般にいうさまざまの霊界や幽界、天狗界なども含まれるようだ。したがって、四次元世界から六次元世界まで異なる次元の世界を包摂する。
「フラテリー神界」とは、「ヒマラヤの上空」およそ一〇キロメートルに位置し、アジア全体やヨーロッパ、中近東などを支配している」という。
 ところが、このアジア全体と中近東およびヨーロッパを統べるフラテリー神界で中心となって活躍するのは、「須左之男命をはじめとして、八意思兼神(やこころおもいかねのかみ)や少彦名神、大国主神などがお働きになっています」と相曾氏がいうように、日本の神々なのである。
●このように、神界の仕組みからしても、わが国は特別の位置にある。日本の神々は現に今もって世界の動きに責任をもってお働きになっている。その天之御中主神以下天照大御神にいたる宇宙・天地創成の神々をお祭りする祭儀が、天皇陛下が一世一代に行なわれる大嘗祭である。連載中の「オホニアヘマツリ考」を味読していただきたい。

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